1993年2月
融資の通知を頂いてから5日後。
金融公庫の融資課の人と会い、毎月の返済約定日、期間、金額を決めました。
「最短で8年の返済を希望します。」
融資課の方からの一言、「はい、わかりました。以前働いていた職場、目標にしているお店、それと身元調査もさせて頂きました。お店を開く前から夢も希望も打ち砕くようで悪いのですが、私が以前融資した飲食店、ここ8年で一軒も残っておりません。それだけ商売が厳しいという事だと思います。がんばってください。」
出鼻を挫かれる一言だ。
正直申しましてお店を開業するといっても何から手をつければ良いのかまったく分かりませんでした。ジクゾーパズルの様に1個ずつうめていき、だんだん型になってきたって感じです。
書類を作成するのに、お世話になっている社長さんに伺ったり、新宿の都庁へ1日3回も往復することもありました。
本当に何も知らないので、ばかにされても良いから足で稼ごうと思いました。若さと情熱があったんだと思います。
今の自分に、あの開業までのしんどさを思うと、やれるかどうかは、分かりません。初めは、まわりの人、特に母親の反対もあり逆風でしたが、本気モードが伝わっていき、それがだんだんと追い風に変わり周囲の人達も協力的になってきました。
『有言実行』
30歳までに自分の店を開く、1度口にした事は後には引けない。そうやって自分を追い込んでいたんだと思います。29歳と6ヶ月。ギリギリです。1993年4月1日、オープンの予定です。残りあと1ヶ月。睡眠時間は3時間。ナポレオンじゃあ、あるまいし。お店ってこうやって出来ていくんです。
続く
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