台東デザイナーズビレッジ レポート

  台東区は昔からものづくりの町。 そして職人さんに寛大な町。 靴やバック、帽子、アクセサリーなどが地場産業です。お隣の町、小島小学校が2004年に廃校となり、台東区が若手デザイナーを育成しようと、創業支援施設として再利用した、デザイナーズビレッジこと通称「デザビレ」だ。 ここを出られた一期生のデザイナーの人達が台東区内に拠点を置いて独立しています。 次々にこの物の売れない殺伐とした時代に、みなさん情熱を持ってガンバっておられるようです。 僕も良い意味で刺激と元気をもらっています。この日は年に1度だけ「デザビレ」が一般開放していて、チョイと僕もお邪魔して「デザイン」をテーマに、若手の人達が何を想い、何を感じてものづくりにいそしんでいるのか、少しだけ話しをする事が出来ました。 ` デザインを少しだけでも意識して生活すると、ものの見方、町を歩くだけでも楽しくなります。 ` ` 100年以上の建物。さすがに重厚感があります。さっそく中へ入ってみましょう。 ` ` 女性のデザイナーが大変多いことと、動物をモチーフにした雑貨やアクセサリーが多い事に気がつきました。 「動物の作品が多いようだけど、それはなぜ?」 「動物のは、よく売れるんです。」 「動物好きなの?」 「・・・・・・・・・。」 この給湯室はいい味出してるな。水飲み場もいい。タイルの感じがなつかしい。天井の高さもいい。おっと、いけねぇ。作品を見に来たつもりが建物ばかりに目がいってしまう。正直言って「おっ、いいな。」というものがなかなか見つからない。 ` ` ` ` ` ` ` ` `    ビストロカンパーニュのご近所に革製品を扱うお店、「エムピウ」というブランドがあって、ご主人が「デザビレ」の一期生だそうです。スタッフの小山さんやタロヲさんもここのミルフィーユのようなサイフを愛用して、使い込むほどに味がでてきて、人と一緒に年をとっていく。職人さんの思いや哲学までもが伝わってきそうです。デザイナーが生み出した作品を最後まで面倒をみる。そんな物に魅力を感じてしまいます。 `   芸術と大量生産のあいだに「作品」というものがある。 「作品」は均等やら平等とはあんまり関係がない。 「作品」は、いくらでもつくれるものではない。 「作品」は、街にたくさん存在している。 大量生産品は、どんどん迷路に入りこんでいく。 豊かな時代の人々は、「作品」のほうに興味を示す。 いま現在の売上げだとか、総合的な影響力だとかは、 大量生産品のほうが圧倒的である。 それでも、時代が目指す方向は、 「作品」の側なのだと、ぼくは考えている。                          -糸井重里                                                          続く

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