シェフと歩こう下町散歩 その1 蔵前近辺

  4月のとある月曜日 晴れ 久々の連休です。 とても良い天気で気持ちがいいです。年齢を重ねる事に、生まれ育った蔵前という町がますます好きになっていくような気がします。 最近暇を見つけては、隅田川沿いの河川を歩きます。心も体もリフレッシュして、頭も回転して、新たな発想も浮かびます。いい事づくめです。散歩するようになって町を見渡すと、蔵前に少しずつ、変化が起きてる事に気がついたのです。昔から変わらないトラッドな部分と、変わっていこうとする新しい波。そんなことに少しとまどいながら、ガイドブックには決してのらない、独自の目線で蔵前を紹介できたらと思います。   `                                                                                                         午前10:30分  まずはビストロカンパーニュの前からスタートです。 並びには、昭和初期に建てられた「タイガービル」があります。昔はアパート、今現在は事務所になっており、デザインやカメラマンといった比較的クリエイティブな仕事をされてる方々が多いようです。 1階には国や時代を問わないアンティックな家具屋さんが入っています。子供の頃よく、ここの屋上で遊んだ記憶があります。映画で言えば、ヌゥベルヴァーグ、ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」の世界です。ドアを開けた瞬間、マイルス・ディヴィスのトランペットが聞こえてきそうなそんな感じのビルです。 改めて見ると、やっぱり、カッコいいな~。 ` ` `     ‘                                                                                                                                                                               続いて、蔵前三丁目。浅草税務署の前にアールデコ風の建物があり、                            さらに進むと2007年に表参道から蔵前に移転してきた、「ごはんとくらし」をテーマにしている出版社、アノニマスタジオがあります。もともとは靴墨倉庫。2階部分が編集部のオフィス。1階は「in-kyo」という生活雑貨のお店と食堂になっています。僕もここの生活用具が大好きで、ほうきやちりとり、料理本からCDまで、時間があるとのぞきに行きます。この通りはこれから、もっと、おもしろくなっていく様な気がします。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                午前11:00時  春日通りまで出ると、厩橋があり、何かと話題の東京スカイツリーが見えてきます。 この橋の上から、写真を撮っている光景をよく見かけます。完成まで約2年、どんなタワーが出来、どう町が変わっていくのか見守っていきましょう。                                                                                                         午前11:30分  春日通りを御徒町方面に進むと、通り沿いにある菓匠 榮久堂です。僕は昔からあんこに目がなく、榮久堂さんの和菓子の美味しさを再認識。かしわ餅、草餅、豆餅を買いました。お上品な味です。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 午後12:00  蔵前橋通りと江戸通りが交差する場所に、山縣商店が。なつかしいブリキのおもちゃやロボット、何種類もの線香花火があります。でもこの辺は、おもちゃ問屋さんなので分けていただけるかは、微妙です。                                  ` 午後12:15分  蔵前から浅草橋方面に向かう途中で榊神社があります。神社の裏に、僕の通った蔵前中学があり、部活が終わった後、この蔵前堂に立ち寄り、コロッケパンや焼きそばパンと牛乳をほうばっておりました。ほろ苦い青春の1ページです。                                                                                                                                                                                これまた散歩の途中で見つけた60年代風の建物。 この感じ、男心をくすぐります。どこかの会社の社員寮でしょうか。東エリアはとても多いんです。昭和の香りがする、廃墟のようなビルが。ちなみに自分が住んでいるアパートも築38年、いい感じです。今度お見せします。僕は間違いなくビルマニア。残して欲しいんです、こういった建物は。 ` 午後13:20分  歩きすぎて喉がかわき、小腹が減ってきました。とっさに思いついたのが浅草橋のチョット奥まった場所にあるアルザス料理の店、「ジョンティ」。時間も押し迫っていたので悪いと思いつつも、ついついかけこんでしまいました。オーナーソムリエの富田さんをはじめ、スタッフの方々が温かく迎えてくれました。まずは生ビールに豚肉のゼリー寄せ。 スぺシャリテでもあるタルトフランベに合わせてこちらのテーブルワインでもある、ジョンティをボトルで頂く事にしました。                                                                                                                                                                                                    店内はフランス語のラジオが流れ、この音色についついワインが進んでしまいます。いやあ昼間に飲む白ワイン、最高です。なんとも言えない優越感です。こういったお店がご近所にある人は幸せです。ここは、店主の富田さんがアルザスの郷土料理やワイン、文化に惚れ込み、みなさんに知って欲しいという熱い思いがヒシヒシと伝わってきます。いや~、うまかった。満足です。ごちそうさまでした。                                                                                                                                                                                                                   午後15:30分  最後は蔵前に戻り、銭湯「梅の湯」さんでひとっ風呂浴びます。 ここも昔からある銭湯で、あえて近代化せず、古きよき昭和の香りが色濃く残っています。子供のころ銭湯はコミニケーションの場でマナーが悪いとちゃんと、しかってくれる大人の人達がいました。こういった場で学校では習えない社会勉強を少しずつ学んでいけたんだと思います。ちなみにこの梅の湯さんは、テレビドラマの撮影やCMにもよく登場します。お隣の女湯に井川遥さんが来ていたかと思うと、チョッピリ興奮します。そんな事を湯舟につかりながら、モンモンと考えていました。湯舟の温度は45度。オットいけねぇ、のぼせるところだ。                                                                                                                    続く

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