ちょうど昨年の5月の今頃、フランス南西部のガイヤックの生産者、
コス・マリーンのマダムがワインのPRのため初来日し、カンパーニュに食事に来て頂きました。
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日本では、ガイヤックのワインは歴史が古いわりには知名度が低く、フランス南西部のどの辺なのか、ぶどう品種さえ知りませんでした。
コス・マリーンはガイヤックの伝統的な土着品種を中心に栽培しています。Duras、 Syrah、 Braucol、 Prunelard、 Mauzac 、Semillon、 CheninなどなどAOCの規定ではもはや認められていないブドウばかり。そのため、ほとんどがテーブルワインです。
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しかし本人曰く、そんな事はお構いなく我が道を行きます。自然と向き合い、謙虚さと素朴さを大切にしています。もちろん、栽培、醸造においても人工的な化学薬品などは一切加えません。ボルドーの醸造学校で学び、サンセールやプロヴァンスなどで働き、1993年に8ヘクタールの小さなドメーヌからスタート。今現在15ヘクタールの畑を所有しています。とても個性的で哲学をもって仕事にいそしんでいます。
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お店にマダムが来店された時、あまりの美しさに目を疑いました。透き通るような透明感、詩を朗読しているかの様な声のトーン。控えめで自分の我を出さずにはにかむような笑顔。デニムのジャケットに仕立ての良い白いワンピース。髪はショートカットにまとめ、ガイヤックのジーン・セバーグです。そして僕が蔵前のジャン・ポール・ベルモンド。一瞬にして恋に落ちました。
と、言いたいところですが時すでに遅し。彼女にはご主人がいらっしゃって、2人でワイナリーを営んでいます。それも相当いけてるフランス映画に出てくるような、俳優さんのような方。まさに美男、美女。
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おっと、いけねぇ。又妄想の世界に入るところだった。
スパークリングワイン、白、赤、デザートワインがあり、僕は特に白ワインが好きで、セミヨン、ミュスカデル、モーザックというブドウのブレンドです。果実味に溢れ、肉厚。骨格がハッキリしてます。
魚料理はもちろんのこと、鳥肉のシュープレームやフリカッセに合わせてもおもしろいと思います。女性のボーカルのリッキー リー ジョーンズやノラ・ジョーンズが聞きたくなるような味です。締めくくりはほんのり甘いデザートワイン。アプリコットやトロピカル系の花の香り。ライチをほうばりながら。何万キロも離れたフランスで畑仕事にいそしむマダムを思っております。
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又いつか東京へお越しの際は、ビストロ・カンパーニュに寄ってください。シェフと下町散歩をしてください。きっと素敵な思い出になると思います。
続く
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